河野太郎デジタル相 今年秋に党総裁任期を迎える岸田総理の下、河野太郎デジタル相の存在感がじわじわと増している。
 マイナカード普及に向け健康保険証の廃止を唱え、若く米留学を果たした人物らしい大胆な政策を打ち出している。
 しかしながら、河野デジタル相にとって与党内での存在感は決して重くなっておらず、若しポスト岸田を問われる与党議員が在ったならば、岸田総理を領袖に戴く宏池会の林芳正外相が最も有力な候補と答えるだろう。
 従って、河野デジタル相が次期総裁の椅子を狙うには、更に自らの次を狙えるような人物を惹きつける要が有る。
 名門派閥・宏池会が麻生派と岸田派に分裂した現在、再び旧宏池会の復興を図る鈴木俊一財務相や甘利明前幹事長を擁する麻生派に属した河野デジタル相が果敢にその柵を打ち破ることができるか否かが、岸田派に属する林外相に打ち克つことのできる契機となろう。
 故安倍元総理の死去に因って会長職を空席とする清和会、茂木敏充現幹事長を領袖とした旧田中派の系譜に連なる派、そして麻生派の3大派閥を除けば、残る岸田派と二階俊博元幹事長を領袖とする派は衆参合わせても50名を割る勢力だが、河野デジタル相が林外相に打ち克つ為には林外相の属する岸田派と等しく劣後的勢力となる二階派の力を恃むのは当然の理だ。
 そして、その二階派には河野デジタル相と等しく党内では人望を細くするも、世間では人気を厚くする有望な議員が在る。